100年 MUSIC featuring Artist

Vol.1 Superfly

「Superflyのできるまで」

 6月15日に発売が決定しているSuperfly、1年9ヵ月ぶりの3rdアルバム『Mind Travel』。そこでは志帆の“現在の思い”と“未来への思い”が表現されているわけだが、それだけじゃなく、“幼き日々への思い”もまた歌になっている。例えば「Secret Garden」は、「子供の頃にいつもひとりで座って、いろんなことを考えていた実家の庭」を頭に浮かべつつ、「あの頃の無邪気な私」を思い出して書かれた曲。また「Morris」は、彼女が幼い頃に「歌とピアノに憧れ、得意げに奏でたメロディ」を「楽しそうに聴いてくれた」父親への思いを綴った曲だ。つまりは志帆の「心のルーツ」。そうしたルーツがあって今があり、今があるから未来が見えてくるという、これはそういうアルバムなのである。
というわけで、<100年MUSIC・Superfly>の第1回目となる今回は、志帆がどのようにして音楽に目覚め、どのようにしてシンガーになる決意をしたかを改めて話してもらいながら、Superflyのルーツを探っていこうというもの。越智志帆はいかにしてSuperflyになったのか。

Page.1

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――最初に音楽を好きになったきっかけは?
「きっかけは3歳のときに始めたピアノかな。私は外で元気に遊ぶような子じゃなくて、ずっと家でピアノを弾いてましたね。ふたつ上の姉がピアノを習い始めたタイミングで、私も習い始めて。ピアノを弾くと両親が喜んでくれるので、それが嬉しくて弾いてたってところもあったんですけどね」
――音楽的な家庭環境だった。
「いえ、全然そんなことはないんですけど。音楽がいつもおうちに流れてた……っていうようなこともなかったし。姉の影響が大きかったのかな。姉はホルンを吹いたりもしているので。あと、父親が若い頃にギターを弾いていて。フォークとか、すごく好きなひとなんですよ。忙しくなってしばらくはギターを押し入れにしまっていたようですけど、私が上京してからまた弾くようになったみたいですね。今もよく弾き語ってますよ(笑)」
――そんなお父さんのつま弾くギターを思い出しながら書いた曲が……。
「“Morris”です。父親が弾いてたのがモーリスのギターだったんです(モーリスは国産ギター・メーカーの名称。70年代フォーク・ムーヴメントのときに多くの若者が手にしたアコースティック・ギターの代表格)。私が上京するときにも弾いてくれて。嬉しかったですね」
――ピアノは何歳くらいまで弾いてたんですか?
「中学くらいまでやってました。それからもピアノを弾きながらよく曲を作って遊んでましたね。好きだったんですよ、曲を作るのが。で、通ってた中学が音楽教育に熱心なところで、学級歌を創って、それをみんなで歌おうっていうイベントがあって。1、2、3学年とも全部自分で曲を作って、歌詞もつけて、クラスのみんなに歌ってもらったりしてましたねぇ」
――歌うことに目覚める前に?
「はい」
――意外にもシンガーを目指すようになる前に曲作りのほうを楽しんでいたという。
「そうなんですよ。で、高校に入ってから、自分のなかで“なんか違うなぁ”って思い出して、曲作りをやめて。それよりもとにかく歌をうたいたいって気持ちになってしまって」
――そういうふうに気持ちが変化したきっかけは?
「歌うことはちっちゃい頃からずっと好きだったんですけど、中学のときに全校生徒で合唱するイベントがあって、お友達5〜6人のグループでゴスペルを歌ったんです。そのときに、“あぁ、歌ってすごい!”“私の心を表現するものは歌なんだ!”ってことに気づいて。初めてだったんですけど、私は人前に出て歌うことがすごく好きなんだなってわかったというか」
――開放された感覚があった。
「そうなんですよ! 私はひとと話すのが苦手で、コミュニケーションとるのがヘタクソで。自分に自信がなかったんですね。それはちっちゃいときからのコンプレックスで、ずっとモヤモヤしてたんですけど、初めて人前で歌ったときに不思議と開放感があって。私は歌うことで自分を表現することができるんだなと。で、高校に入ってからどんどんその思いが強くなって、その頃からバンドに入って歌いたいと思うようになったんです」
――その頃はどんな音楽を聴いていたんですか?
「普通にJ-ポップを聴いてました。今も活躍されている方々が既に大ブレイクしていたので。“私もテレビのなかに入りたい”って思ってましたね(笑) でも、その頃の自分の声はすっごく平凡でありきたりの声で、それが嫌で嫌で。“どうしたらあんなふうな声になるんだろ、もっといい声で歌うようにならなきゃ”って思ってました」
――それから好みが洋楽にシフトしていった。
「はい。短大に入って多保くんと出会ったんですけど、彼は“歩く音楽辞書”じゃないかって思えるくらい音楽マニアで。昔の洋楽とかがいっぱい入ったMDを何枚も作って、“これを聴きなさい”みたいな感じで(笑)、くれたんです」
――洋楽千本ノック的な。
「まさに(笑) で、18~19くらいで集中して聴いて。それまでは洋楽を聴いてこなかったので、J-ポップとの違いに驚きましたね。キャロル・キングとかジャニス・ジョプリンもそこに入っていたんですけど、特にその時代の洋楽って、アナログだし、温かみがあるし。リアルタイムのJ-ポップしか知らなかった耳には、始めはざらついた音質がなじめなかったんですけど、好きになっていくにつれて、そのざらついた感覚がいい!って思うようになったんです。大好きになったジャニス・ジョプリンも最初に聴いたときはアクが強すぎて馴染めなかったけど、ちょっと時間経って聴いたら“なんてかっこいいんだ!”ってなって。“私はこうなりたい!”って思うようになったんですよ。そこで自分のヴォーカル・スタイルが決まった感じ。ああいう歌い方に近づけようって思って頑張ってました」
――それ以降、ずっとジャニスは特別な存在であり続けているわけですよね?
「はい。特別ですね。ジャニスの音楽と出会ったから今の自分があるようにも思えるし。今に繋げてくれた方なので。ずっと憧れの存在です」

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Mind Travel

Superfly
3rd Album
"Mind Travel"
2011.06.15 Release


初回限定盤<CD+DVD> WPZL-30278/79 ¥3,619(本体)+税
[初回特典DVD内容]
全10曲ミュージックビデオ-DVD

通常盤<CD> WPCL-10952 ¥3,000(本体)+税

http://wmg.jp/superfly/

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