100年 MUSIC featuring Artist

Vol.1 Superfly

「心の旅のなかから生まれた曲たち」

 1年9ヵ月ぶりとなる3rdアルバム『Mind Travel』。志帆の"心のルーツ"が歌われた曲がいくつかあることから、前回は彼女がどのようにして音楽に目覚め、どのようにしてシンガーになったかを紹介したが、今回はそもそもこのアルバムをどういうものにしたかったのか、そしてどのように作られていったのかといったところに焦点をあててみた。
ノリのいいロックンロールあり、カントリー・テイストのオーガニックな曲あり、ソウルの色が濃く出ている曲あり。今までにも増して幅のある作品になった理由が、このテキストから見えてくるはずだ。

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――3rdアルバム『Mind Travel』。作り始めた頃はどんなイメージを持っていたんですか?
「始めは漠然と景色を思い浮かべていて。で、2ndアルバムは打ち込みも入ってたけど、今回そういうのは一切やらず、ナマ音で全部やりたいというのがあったんです。"Sunshine Sunshine"はかなり早い段階でベーシックができてたんですけど、ああいう感じの長閑で光が射してくるような曲をまずやりたくて」
――「Sunshine Sunshine」の世界観が3rdアルバムのベースになるのだろうなとは思ってました。前作はUKロック的なエッジの立ち方もあったけど、もう一度1stアルバムの、例えば「1969」的な世界観に戻るんじゃないかなと。ルーツを見直すというか。
「うん。まさに。あたたかい日射しを感じられるアルバムにしたかったんですよね。で、カントリー要素を入れたいというのも、ずっと前から考えていたことでしたし」
――景色で言うと。
「晴れた空。広い大地。そこに立っている自分の姿を浮かべてましたね。そして、そこに射す光。光を描きたいというのはありました」
――イギリスの曇った空というよりは、アメリカの田舎の麦畑の……。
「そうですそうです。麦畑に光が射していて、風に揺れているような」
――「Sunshine Sunshine」がまさにそうだし、「Morris」もそう。そういったオーガニックな曲がアルバムの核になるのだろうと読んでいたんです。で、実際にそういう曲がいい色彩をつけているのは確かなんですけど、でも全体を見ると、「これぞSuperfly!」といったロック曲がやっぱり多いんですよね。思いのほかというかなんというか、やっぱりこれはロック・アルバムなんだなぁ、と。
「うん。作ってる期間が長かった分、いろんなことをカラダに取り入れていきながら変化していったところがあるんですよ。アルバムを作り始めた頃は、休みをいただいたあとだったこともあって、私の気持ちがすごく穏やかだったんですね。だから穏やかなものを作りたい気持ちでいっぱいで。"Sunshine Sunshine"とか、あとは"Eyes On Me"のような曲をうたいたくてたまらなかったんです。けど、そこからいろんな出来事があって、悲しい別れとかもあって、考えさせられることがいろいろと多くて。生きるってどういうことだろうとか、音楽ってなんだろうとか、いろいろ考えたんですよ。で、あるときまた、クッとロック・モードのスイッチが入ったんですよね。"闘わなきゃ!"みたいな。そういう自分自身の気持ちの変化がこのアルバムにも出ていて、だからいつもより幅が出たなと思うんです」
――そうですね。カントリー・テイストの曲があり、ロック曲もたくさんあり、さらには今回、ソウルの要素が色濃く出ているものも数曲あるし。
「ソウルはすごく歌ってみたかったので。まぁ、こんなに入るとは思ってなかったんですけど(笑)。ソウルっぽいサウンドだと、歌を大きくうたえるっていうところがあるんですよ。ロックをうたってるとき以上にふくよかな表現ができる。"Only You"はこのなかでわりと早くに作った曲なんですけど、この曲の歌入れのときにそのことに気づけたので」
――ソウル・テイストの曲は、ヴォーカリストとしてもやりがいがある。
「そうですね。すごくエモーショナルにもなれるし、落ち着きつつ感情を出すこともできるし。抑揚がつけやすい。だから(歌詞で)言いたいことを伝えやすいんです。あと、昔に比べると自分の出したい声を自由に出せるようになってきたと感じていたので、もっともっとそれを使ってみたくなったっていうのもありますね」
――いろんなタイプの曲をうたっていくなかで、たくさんの発見があったアルバムのようですね。
「本当にそう。例えば"Sunshine Sunshine"は歌について書いた曲なんですけど、"ああ、歌は呼吸をすることなんだな"って、当たり前すぎて今まで気づけなかったことに、ふっと気づけた瞬間があって、それで作れたものだし。長い制作期間のなかでそういうふうにいろんなことに気づけたというのが大きいんですよね。で、そういうのって旅をしているときの感覚に近いところがあって。普段の生活をしていても気づかなかったことが、旅をしているなかで、ふっとわかることってあるじゃないですか? 飛行機のなかとかでなんとなく家族のことを思いながら、ふと自分にとって何が大事なのか気づけたり。だからまず"トラベル"という言葉はタイトルに入れたくて。で、今回は心のなかのこと、精神的なことをうたっている曲が多いので、"マインド"をつけたんです。本当に心のなかでいろんな旅ができたアルバムになりましたね」

取材・文/内本順一

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Mind Travel

Superfly
3rd Album
"Mind Travel"
2011.06.15 Release


初回限定盤<CD+DVD> WPZL-30278/79 ¥3,619(本体)+税
[初回特典DVD内容]
全10曲ミュージックビデオ-DVD

通常盤<CD> WPCL-10952 ¥3,000(本体)+税

http://wmg.jp/superfly/

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