100年 MUSIC featuring Artist

Vol.1 Superfly

「心の旅のなかから生まれた曲たち」

 3rdアルバム『Mind Travel』。勢いに満ちたロック・ナンバー「Rollin'Days」から讃美歌のような話題曲「Ah」まで幅のある全14曲だが、そのひとつひとつに志帆の"心の旅"における気づきや想いがしっかりと反映されている。故に、明るいながらも深い。
前回はアルバムができるまでの話を紹介したが、今回と次回は1曲ずつ、作った経緯とそこに込めた志帆の想いを紹介しよう。まず今回は幕開け曲「Rollin'Days」から6曲目「Deep-sea Fish Orchestra」まで。既発のシングル曲よりも本作が初出となる新曲についてのことを長めに聞いた。

Page.3

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――まず1曲目は、リード曲でもある「Rollin' Days」。この曲を作ったのはいつ頃?
「作ったのは一番最後。アルバムの1曲目を飾る"これぞSuperfly!"っていう曲を作ってほしいと多保くんにオーダーして。結果、"2011年版Superfly!"っていう曲になったと思ってます。今までギターで始まる曲がアルバムの1曲目になったこともなかったし」
――そういえばそうですね。このストーンズっぽいリフでもう"つかみOK"っていう。
「これ、多保くんが弾いてるんですよ。"弾きたい! 弾かせてくれなきゃ書かない"って言うんで、"しょうがないな〜"って(笑) 多保先生、やる気満々でしたよ。"ギター弾くぞぉ〜"って。でも、やっぱりいいんですよね、多保ギター。独特のくせがあって。しかも以前よりうまくなってたっていう(笑)」
――全体的にサウンドのヌケ感もいいですよね。ストーンズの『刺青の男』の音に通じる感じで。
「あ、そうそう、私も"スタート・ミー・アップ"が浮かんで、ああいう音にできたらいいなって思ってたんですよ」
――乾いてて、スコーンとヌケる感じ。
「そうですそうです。そういう乾いた音で録れたので、"よしっ!"って思いました」
――歌詞はどうです?
「自分としては、ちょっと今までと違う内容が書けたかなと思ってるんです。生きていると悩んだり悔んだりしてる時間のほうが長くて、喜んでる時間って少ししかないじゃないですか? ひとつのことが終わって喜びたいんだけど、また次のことを考えなくてはならない。2ndアルバムを作り終えたときに"ようやく完成した"って思ったんですけど、その直後に制作の方と"また始まるよね〜"って話をしたのが印象的で、こう、喜びにはずっと浸っていられないんだなって。でもだからこそ一瞬光る喜びを実感したいし、そのために生きてるんだなって思って。2 ndアルバムの最後に感じたそのことを、3rdアルバムの1曲目で歌うというのも面白いかな、と」
――続いて2曲目「Beep!!」。
「この曲、歌っている私が言うのもなんですけど、聴けば聴くほど好きになるんですよ。歌っててもどんどん好きになる」
――なんかわかります。僕も初めて聴いたときより、何度か繰り返し聴いて、どんどん好きになっていった曲だから。
「なんなんでしょうね? 私もそうなんですよ。どんどんハマってくる。なんか最初は王道すぎてちょっと不安だったんですよね。もうちょっとこう、半歩進んだ感じのほうがいいんじゃないかなとも思ってたんですけど、今こうしてアルバムに入った状態で聴いてみると、王道を入れておいてよかったな〜って思うんですよね」
――3曲目は「Fly To The Moon」。アイザック・ヘイズの「シャフトのテーマ」を想起させるイントロからして新境地といった感じですね。こういうニュー・ソウルっぽいアレンジは始めからついていたんですか?
「デモの段階ではホーンとかフルートは入ってなかったですね。デモ段階ではメロディとアレンジにちょっと温度差があったんですけど、その間を蔦谷さんが埋めてくれて。ソウルっぽいアレンジに変えたら、メロディがグッと引き立つようになったんです。私自身もこういうソウルっぽい雰囲気をイメージしていたので、このアレンジで聴いたときには感動しましたね」
――メロディがすごく強い。
「ですよね。今の多保くんならではのメロディというか。Aメロは優しい感じだけど、サビはハッキリしてて。歌うと最高に気持ちいいんですよ、これ」
――歌詞はあとから書いたんですか?
「はい。まずAメロを聴いたときに"Fly To The Moon"って言葉がでてきたので、そこから広げていこうと思って。暗闇に月がポンってあるのを見ていたら、洞窟のなかに自分がいて、出口から光が差し込んでくるような状態に似てるなって思ったんですよ。それが希望の光にも感じられて、それを書きたいと思ったんですけど、なかなかうまくまとまらなくて。結局2週間近くひとりで悩んで、やっと書きあげました」
――4曲目は「タマシイレボリューション」。ここではアルバム・ヴァージョン(Extended Version)で収録されてますね。
「もともとこの長いヴァージョンのほうで録っていたんですよ。イントロは長いほうが煽れるよね〜、って話をして」
――これもアルバムに入ったことで、改めてSuperflyの決定打的な1曲だったことが強調されましたよね。しかも詞曲を志帆さん自身が手掛けたものであるという。
「作れてよかったなって思いますね、改めて。"Superflyとして歌うのならこういうタイプの曲だろう"っていうことを自分なりに考えて、意識して作った曲なので。この曲が広がったことで、ひとつ、自信にもなりましたし。このアルバム作りにおいても、これが出来たことはすごく大きかったと思うんですよね」
――そして「Eyes On Me」。4曲目までは昂揚感のある曲が続いていたけど、ここでトーンが一気に変わります。
「はい。ここから精神的な方向に。今本当に言いたいこと、出したいことを、ここからまとめてだしていこうっていう曲順ですね」
――これはもう、タイムレスな名曲だと思う。
「あぁ、嬉しい。大好きなんですよ、私も。音域もそんなに高いとこへ行かず、優しく沁み入ってくる感じが心地いいなと、自分で歌っていながらも思います(笑)。去年の年明けくらいからずっと書きたかったことで、自分のなかでいろいろ考える時間が長くあったりもしたので、その分、テーマ的にも濃くなっていった曲ですね」
――続いてハードロック的な「Deep-sea Fish Orchestra」。
「これ、実はすごく昔の曲なんです。デビュー前の曲」
――あ、そうなんだ?
「昔から歌いたくて、でもなかなかチャンスがなくて。今回これをチョイスできた時点で、これは濃いアルバムになるなって思いました」
――今なら歌えると。
「はい。やっぱり多保くんも作ってる時期が違うとメロディの特徴も変わってくるじゃないですか? で、こういう並びのなかに昔の曲が入ることで、ちょっと変態感が増すというか(笑) Superflyもそれなりに成長して少し大人っぽくなってきているなか、こういう昔のヘンテコリンな曲を持ってきたことで、いいバランスがとれたなぁと」
――今のSuperflyと昔のSuperflyの接着剤になってる曲。
「うん。そうですね」
――昔作ったまんまなんですか?
「メロディは全然変わってないです。アレンジも大体こんな感じで。よりディープにしてもらいましたけど」
――やるならツェッペリンくらいまでヘヴィにしようと?
「そう(笑) やるならやっちゃおうっていう。で、歌詞はまるっきり変えました。デビュー前のものは多保くんが書いてたんですよ」
――どこからこういう歌詞に?
「ストリングスのフレーズを聴いたときに、海の底にゴブゴブゴブって沈んでいく感覚が映像として浮かび上がってきたので。去年、ダイビングをしたんですよ。で、海のなかの様子をじっくり見たんですけど、水中にいるのに空から地上を眺めている感覚が味わえて、魚が鳥に見えたり、珊瑚が崖に見えたり。なんか自然のなかに自分がお邪魔してるような感覚を初めて味わったので、そのときの不思議な感じを書いて残しておきたかったんです。デビュー前からあった曲がこういう形で日の目をみて、ホント、よかった(笑)」

取材・文/内本順一

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Mind Travel

Superfly
3rd Album
"Mind Travel"
2011.06.15 Release


初回限定盤<CD+DVD> WPZL-30278/79  ¥3,619(本体)+税
[初回特典DVD内容]
全10曲ミュージックビデオ-DVD

通常盤<CD> WPCL-10952 ¥3,000(本体)+税

http://wmg.jp/superfly/

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