このコーナーでは、これからのミュージック・シーンを背負って立つ気鋭の新人アーティストを順次紹介。バンドからシンガーソングライターまで、それぞれの個性とやり方で未来へと続く音楽を鳴らしているニュー・カマーをピックアップしていきます。ここから"100年MUSICアーティスト"は生まれるのか。いかにして"100年MUSICアーティスト"へと育っていくのか。乞うご期待!

”100年ヴォーカリスト”の原点 Newcomer Artist Special Interview

Profile

"100年ヴォーカリスト"の原点

 WARNER MUSIC JAPANが主催した「VOICE POWER AUDITION~100年のヴォーカリストを探せ〜」で、応募者約10,000人の中から見事グランプリを獲得した指田郁也。昨年10月30日に行なわれた「100年MUSIC FESTIVAL」にもトップバッターとして登場し、アーティストとしての第一歩を日本武道館でスタートさせた期待のニュー・カマーだ。
 その彼が、10月12日にリリースされるシングル「bird/夕暮れ高速道路」でいよいよデビューを果たす。怖れず未来へ羽ばたくんだという強い決意が込められた「bird」は、彼が乗り越えてきた大きな心の変化から生まれたもの。少年のような青さと、群れることも媚びることもせずに生きてきた彼の心根を宿したような歌声に、きっと多くの人が魅了されるはずだ。
 というわけで第一回目となる今回は、指田郁也はいかにして音楽に目覚め、プロを目指すことになったのかを探ってみた。"100年ヴォーカリスト"として見出された彼の才能の原点とはーー。

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——音楽は小さい頃から好きだったんですか?
3歳の頃からクラシックピアノをやってたんです。最初は習わされてた感じでしたけど、物心ついてからはだんだん楽しくなってきて、クラシックピアノのコンサートにもよく行ってました。
——もともとそういう家庭環境だったんですか?
幼稚園の友達のお母さんがピアノの先生で、月謝も半額でいいって言われたから通ってたみたいです(笑)。その先生は結構スパルタだったから、練習はかなり苦しみながらでしたけど。でも、僕、とにかくクラシックを聴くのが好きだったんですよ。特にショパン。ショパンってすごくメロディアスで、バラードみたいな感じで、子供ながらに感動したんです。今でもメロディーがキレイで強いものが好きなんですけど、ショパンはそのメロディーのラインがすごくはっきりしてるんですよね。ベートーベンやシューベルトはリズムとか和音系で迫ってくる感じだけど、ショパンはメロディーを中心にして、その下でコードが鳴ってるというか。僕の中ではすごくポップスに近い気がしてるんです。きっとそこが好きで、ショパンを聴くようになったんだと思います。
——男の子でピアノ弾けて、ショパンが好き…。
それだけ聞くとちょっと金持ちの家みたいに聞こえるかもしれないけど(笑)、むしろ一般的より下ぐらいの家庭だったし、普通にみんなと野球とかもしてましたから。
——安心しました(笑)。楽器はピアノだけですか?
はい。一度ギターをやってみようと思って挑戦したけど、あんまりセンスが感じられず(笑)。中学の時に尾崎豊さんを知って、「俺もギター弾きながら尾崎を歌ってやるぜ!」と思ったんだけど、Fが押さえられずに諦めました。
——尾崎豊さんを知ったきっかけは?
ラジオが大好きなので、たぶんそこで聴いたんだと思います。今もそうだけど、あまり友達とかと一緒にいて騒ぐようなタイプじゃないので、中学時代はひたすらラジオを聞いて、気になったCDを買ってっていう毎日だったんですよ。クラシックはもちろん、そのとき流行ってたミスチルとかサザンとかも買ってました。でも、ラジオで聴いて「いい曲だな」って思うものを集めていったらどんどん古くなっていくんです。みんなが最新のヒット曲に辿り着いてる頃、僕はペドロ&カプリシャスに辿り着いてた(笑)。
——「ジョニィへの伝言」('73)や「五番街のマリーへ」('73)といったヒット曲がありますね。
その頃、学校の放送委員をやってたんです。給食時間の校内放送でもペドロ&カプリシャスや荒井由実さんとかをかけてたから、僕が担当してる金曜日は「時代が古すぎる」ってめっちゃ不評でした。先生たちは喜んでくれてたみたいですけど(笑)。
——時代は古くても名曲は名曲ですよね。
そうなんです。音楽もそうですけど、僕は昔の車とか、アナログレコードとか、そういうものにすごく惹かれるんです。古い電車とか見てると落ち着くし。映画とか観てても、新しいものはどうしても"リメイク"のように感じてしまうんですよ。そうやって音楽もどんどんルーツを辿っていってました。
——山下達郎さんの音楽に出会ったのもその頃なんですよね?
はい。実はその中学の頃、あまりにも心を閉ざしてしまった時期があったんですよ。いわゆる心の病だったんですけど、その病気の真っただ中だったときに、ラジオから流れてきた達郎さんの「蒼氓」という曲を聴いて救われたんです。ちょうど中学を卒業する頃でした。周りが全く見れてない状態だったんですけど、あの歌詞と、達郎さんの声と曲。歌詞が持ってる"人"の意味とか、中学生だったけど、わからないながらに"わかる"ものがあって。ちょうど、"生きるって何だろう"とかそういうことばかり考えてた時期だったんで、すごく刺さったんです。
——そういう音楽の力を知ったことによって、何か自分の中で変わったところがありました?
今までは聴くばかりで表現することは全然考えてなかったんですけど、「蒼氓」を聴いて救われた時、僕も表現する側にまわれないかなと思ったんです。いま自分に出来ることは、ピアノを弾くことと歌うこと。歌うことはもともと好きだったんですよ。ひとりで歌ってただけだけど。だから、そうやって殻にこもってて自信もない自分を変えるにはどうしたらいいかなって考えた時に見つけたのが、表現者の方にまわるってことだったんです。そこから、僕はプロを目指し始めました。

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Ray Of Hope

指田郁也
bird/夕焼け高速道路

12011.10.12 Release

■初回限定盤〈CD+DVD〉
「100年MUSIC Fes.」武道館ステージのLIVE映像収録
WPZL-30335/6 ¥1,429(本体)+税

■通常盤:WPCL-10999 ¥952(本体)+税

■オフィシャルHP
指田郁也「だいたいBメロ」
http://ameblo.jp/sashidafumiya/

Newcomer Artist Archives
Newcomer Artist #6 中嶋ユキノ
Newcomer Artist #5 伊藤祥平
Newcomer Artist #4 指田郁也
Newcomer Artist #3 きゃりーぱみゅぱみゅ
Newcomer Artist #2 山根万理奈
Newcomer Artist #1 Heavenstamp